2023.05.30
にぎわったGWが終わり、5月も下旬。このころになると、日中は日差しが照りつけて夏のような気温になることもありますが、夜になるとグッと冷え込み、寒暖差がある日もありますね。
皆さまは、いかがお過ごしでしょうか?
日々西陣 Vol.4の今回は、京都でも屈指の観光名所、北野天満宮や上七軒周辺を散歩してみました。
金色の「天満宮」の文字が美しい「一の鳥居」
今回の街歩きは、北野天満宮のシンボルともいえる「一の鳥居(いちのとりい)」からスタート。遠くからでも目につく大きな鳥居の高さはなんと11.4m。
いつも、バスや自転車から眺めはしていたものの、通り過ぎていた北野天満宮。お恥ずかしながら、西陣に住んでいて、まだ一度も来ていませんでした。
実は、ここ北野天満宮周辺は、筆者(夫)の祖母の生家があったとされる場所の近くなんです。祖先に思いを馳せながら歩いてみようと思います。
米俵が積みあがったイラストがかわいい
北野天満宮に来たからには、やはりここ。一の鳥居がある交差点「北野天満宮前」から細道を1本入ってすぐにあるうどん屋「たわらや」さんです。
このお店、我々と同じ苗字という個人的な理由からずっと気になっていました!自己紹介をすると、「あのうどん屋さんの親戚?」といわれることが、何度かあります(笑)。
名物は、一本だけのユニークな「たわらやうどん」。全国各地からこのうどんを求めて、多くの人が集まります。この日も修学旅行生や海外の団体客で賑わっていました。
残念ながら、この日はたわらやうどんが売り切れとのこと……。かわりに、ざるうどんを注文。つるつるで美味でした!
つるつるのうどんはさっぱり食べられて、暑い日にもぴったり!
街並みの向こうに北野天満宮の新緑が見える
美味しいうどんでお腹を満たしたあとは、北野天満宮の近くにある上七軒(かみしちけん)周辺を散策。上七軒は北野天満宮の東参道に広がる茶屋街で、京都五花街の1つです。
ゆっくり散策するのにぴったり
初めて訪れたのですが、雰囲気が抜群ですね!
古都を感じられる雰囲気の通りには、北野天満宮の自然で穏やかな空気感が漂っています。自然と趣のある建物のコントラストを楽しみながら、ゆったり歩くのにはぴったり。
筆者は、京都に来るまで東京で暮らしていましたが、どこを歩いてもコンクリートジャングルが当たり前でした。上七軒はじめ、広い空や遠くに見える山々などの自然と建物が調和した美しい通りを歩けるのも、京都の良さの1つだなとあらためて感じます。
上七軒には、飲食店や和小物の雑貨屋さん、漬物屋さんなどのお店が点在しつつ、普通の住宅も並んでおり、暮らしと観光地が絶妙に混ざっていました。
上七軒の紋章である五つ団子。かつて豊臣秀吉が開いた「北野大茶会」で気に入ったみたらし団子をモチーフにしているそう。
京都の花街には、「五つ団子」のほかにも「三つ輪」「千鳥」など、それぞれ紋章があるので、ぜひ探してみてください。
この看板が目印!
この日の最高気温は30度近く。照り付ける日差しが痛いほどの天気でした。少し疲れたので、ここらへんで小休止。
上七軒の交差点の近く、元誓願寺通(もとせいがんじどおり)を入ってすぐにある「風とCOFFEE 喫茶カゼコ」さんに立ち寄りました。
テーブルの端にもロゴマークを発見!
西陣ネイバーフッドでもお馴染みの喫茶カゼコさん。どこかレトロな落ち着いた店内や、ところどころに散りばめられたシンボルのヨットのロゴマークなど、何とも良い雰囲気です。コーヒー片手に友達とゆったり過ごすのはもちろん、一人で本を読みながらリラックスするのも良さそう。
ねっとりとした重みのあるチーズケーキが美味しい
今回はカフェラテとバスクチーズケーキをいただきました。チーズケーキは人気商品らしく、この日も私たちが注文したあとに売り切れていました。
個人的に、チーズケーキはスフレタイプよりも、ねっとりぎっしりで濃密なチーズケーキが好きなのです。このバスクチーズケーキはまさに理想通り!甘すぎない味もコーヒーにマッチして、とっても美味しかったです。
この季節は、新緑が気持ち良い!
カゼコさんの美味しいカフェラテとチーズケーキで完全回復した筆者は、出発点である「一の鳥居」に戻り、北野天満宮の中へ。
今までいろいろな人に「北野天満宮はおすすめだよ!」と言われていたのに、なぜか今まで一度も足を踏み入れたことがありませんでした……(笑)
いざ京都に住み始めると、京都の有名観光地にあまり行かなくなることってありませんか?いつでも行けるから結局行かないというか。少なくとも私たちはそうでした。
落ち着いて考えると、こんなに貴重な史跡がすぐそばにあるなんて、すごい贅沢ですよね。
つやつやの「撫で牛」
参道を進むと、途中「撫で牛」という牛の像が目に入りました。これは、北野天満宮に祀られている菅原道真(すがわらのみちざね)公が丑年うまれだったため、神の使いとして牛が選ばれたとのこと。
実は筆者(妻)も丑年。なんだか不思議な縁を感じました。この撫で牛は参道や境内にいくつも点在しており、それぞれ微妙に形や表情が違っているので、見比べるだけでもおもしろいですよ。
国宝にもなっている本殿は圧巻
本殿にて参拝。この本殿は、菅原道真公を祀っている御殿と、参拝客が参拝する拝殿が石畳の廊下でつながっている「八棟造(やつむねづくり)」という造りになっています。なお、本殿は国宝に認定されています。近くで見ると重厚感があり、すごい迫力でした。
ちょうど青もみじのシーズンで、新緑の季節ならではの美しさも感じられます。この日、修学旅行生の方がたくさんいて、観光地の京都らしい雰囲気を感じることができました。
青もみじの爽やかな美しさは、ただ眺めるだけで心が洗われる
ちょっとした通りを覗くだけでわくわくする
北野天満宮と上七軒周辺は、何度も近くを通っていましたが、しっかりと散策するのは今回が初めてでした。
特に上七軒通の落ち着いた京都らしい雰囲気は、すごく気に入りましたね。
京都に住むまでは、京都の観光地は金閣寺や清水寺など、修学旅行で行くような場所のイメージが強くありましたが、実際に住んでみると、本当にすぐそばにはたくさんの暮らしや魅力的なスポットがまだまだあるんだなと感じます。
これからも、このエリアに住んでいるからこそのおもしろい視点で、西陣の魅力をお伝えしていきます。
日々西陣、今回はこのあたりで。来月もまたお楽しみに!
(執筆&写真・俵谷夫妻)